さんさか ネルドリップ珈琲と本と

ゆくりなく

一日経ってみると夢でも見てたのだろうか、という気になってきたのでどこかに書き留めておこうかと。
お帰りのお客様とのお会計の最中、窓の向こうの外で店の本棚を見て、少し立ち止まりながら
通り過ぎるおじさんに目が止まった。
「あの人」だとすぐに気がついたものの、100%の確証はなく、お客様を見送っている間
にもどんどん行ってしまう。
その一瞬で、5、6年前にも常連の方から「今、どこそこをご夫妻で歩いてはりますよ。」
という目撃情報をお電話でもらったものの、出ていくわけには行かなかったことを思い出した。
そうなると後先考えず体が勝手に動き出し、あわてて鍵をかけて店を飛び出し追いかけていた。
ちょうど周囲に人がいなかったので「○○さんですよね?」とただのオッサンやったらどうしよう
とか考えながら思い切って声をかけたみた。
ご本人だった。
顔認証の能力にはちょっと自信があるけれど、精度の高さに感謝。
もちろん怪訝な顔をされはしましたが握手してもらった。
慌てて走って追いかけたので息はあがっているし、舞い上がって声もうわずるし
見事に何を言っているのか伝わらなかっただろうが仕方ない。
店に戻り、走ったことによるものだけではない、心臓のバクバクと手の震えがあって心地良かった。
いろんなことがあるけど、店をやってて良かったのだ。