さんさか ネルドリップ珈琲と本と

横暴ってこういうこと。

観光資源にあぐらをかいている京都の観光行政の横暴が目に余る。
数日前の新聞でみた京都市の市バス利用者のキャリーバッグ問題の記事が頭か離れない。
断片しか知らないのを要約すると、内外から訪れる観光客がキャリーバッグやらスーツケース
を持って市バスに乗車するのを控えるように、注意を呼びかけているというよりも警告に近い。
当局である交通局と観光行政がそんな身勝手なことを言い出したようで、バスのドアにキャリ
ーバッグが挟まったまま発進したとかしないとかのトラブルがあったり、地元市民が混雑して
困惑してるなんてのが発端らしい。
市バスには大人1人が運賃を払えば幼児2人を無料で同乗させることができる。
これだと夫婦2人で4人の子供と乗車してベビーカーを持ち込むのも控えるように京都市から言われかねない。
 
飲食店に当てはめると、お子様連れのお母さんが一人分しか注文せずテーブル席に座ることさえ
非難しているようなもんじゃないか。
身勝手な私でさえそんな風には考えもしない。
市バスは混雑回避を目的に一日乗車券もすでに値上げしている。
行列の絶えないラーメン屋さんが並んでいるお客さんに対し「次の人から値上げしまーす。」
と言ったら暴動が起きるんじゃなかろうか。
普段から身勝手な自分でさえ、京都市と比べると穏やかな善人に思えてきた。

マチネの終わりに

マチネの終わりに
手垢のついたような表現しかできない自分がもどかしいのだが
こういうのを「美しい文章」というのだろうと感じた素晴らしい読書体験でした。
(どうでもいいのだが、なにかにつけて‘美しすぎる’みたいに、“〜すぎる”を使う奴は
 大抵どアホだと思う。例えば女優やモデルのインスタを一般の人が見て、美しすぎると
 コメントを書き込むのだが、美しいからそういう仕事に就きさらに磨きをかけているの
 だから、至極真っ当な話で、どうにも不毛なデジタル機器の使い方だなぁと感じる。)
 
読む前からこの「マチネの終わりに」については、良い評判ばかり見聞きしていたものの
平野啓一郎ということで苦手意識が先行し、常連客の若い彼の「めちゃくちゃィ良かったですよ!!」
というのがなかったらまず手をつけなかった。
平野啓一郎とは同世代なので、デビュー作「日蝕」で芥川賞に選ばれ、「三島由紀夫の再来」と
評され文壇を賑やかしていたのでよく覚えている。
当時、興味本位で読んではみたけどちんぷんかんぷんでさっぱり理解できず、読み切れなかった。
以来、自分にとって平野氏は難解で避けてきた小説家なので、20年ぶりの平野作品である。
 
長い小説や短いコラム、誰のどんな文章でも、理解できなかったり、読めない漢字だったり
前後のつながりを確認したくて少し戻って読み返すことはあるが、この「マチネの終わりに」
のページを戻り読み返す目的は違う。
開いたページをもう一度目で追い、この素敵な文章を自分のものにできやしないかという
くらい本当に素晴らしいのだ。
この才能だったらぜひ欲しいものだと思う。
恋愛小説だから分かりやすいのも幸いだったけど、大局でスマホでのメールのやりとりが重要な
役割を果たすのには幾分げんなりしつつも、30年後も名作というより今が旬な小説なんだろうと思う。
 
恋愛の一進一退が、ウォンカーウェイの「恋する惑星」を観たときのもどかしさと恥ずかしさが蘇る。
あるいは交際し始めのカップルか、良い関係まであともう少しという男女が、お互いの掌を合わせて
意味もなくその大きさの違いを比べているかのような他愛ない光景をみて、それが触れ合うための
口実だとオッサンでも思い出す。

省略のなかにはプライドが含まれていますから

考えるマナー (中公文庫)
毎週録画して観ていた「マツコ&有吉の怒り新党」が3月末で放送が終わり
いつか投稿しようと思いとどまっていた怒りのあれやこれやがついに行き場がなくなってしまった。
ちょうどそんなタイミングでこの「考えるマナー」を読んでいくらか溜飲が下がったような気分。
新聞連載だったのであろうか、この一冊に12人の作家や芸人が繰り出すマナー考。
一編が見開き2ページ構成で12人それぞれの数本のコラムが収められる。
それでいきなりマナーに反するのだが、穂村弘劇団ひとりの書いたものがどうにもつまらなくて
視点、価値観、なんだったら文章そのものが全く好みに合わなかった。
反対に「全く同じこと考えてるわぁ!」と共感できたのが、井上荒野さんと高橋秀実さん。
荒野さん(本名であることにビックリ)に至っては、年齢も性別も違うのに価値観が同じ。
 
タイトル(省略のなか・・・)の言い回しは山本耀司さんの言葉で、ヨウジヤマモト論など服飾に関する著作も多い
鷲田清一さんが「端正のマナー」という中で引用している。
人に何かを伝えようとしたとき、それが通じることを願うほどつい饒舌になる。
自分の場合、それに早口も重なり言葉の過剰にウンザリすることがよくある。
この流れで、次に読むのが山本耀司さんと鷲田清一さんの本がそれぞれ待機している。
松岡正剛みたいでちょっと気に入らないなぁ..)
オードリー若林が読書芸人として集められてる番組で、自宅の本棚を紹介する際
「自分の弱点をさらしているようなもので、肛門見られてるのと同じ」みたいなに言っていた。
たとえるチカラがあるとしっかり伝わるものだ。

6月25日 珈琲教室のプラン

6月25日(日曜)の珈琲教室にはこれから道具を揃えようとお考えの方が参加されます。
ペーパードリップの“イロハのイ”からの内容を予定しています。
前回5月に開催した後、もっと誰でも簡単にかつ確実に美味しく淹れられるであろう
ペーパードリップを、より精度をあげるべく考えうる限りずっと試しています。
いろんなことに挑戦しすぎてさっぱり成果が得られず、頭を抱えるくらいのところまで
不調に陥りましたが、ようやく着地点がみつかり当日が楽しみでもあります。
口幅ったいですが、これだけ熱心に取り組むとあらためて気がつくことも見つかり
ネルドリップにもいい影響が出るものと期待している次第です。

6月25日(日曜) 珈琲教室ご参加募集します。

【日 時】 6月25日(日曜) 13時〜 2,3時間程度
定 員】 4名様 (ご予約のみ。 お一人でもお気軽にご参加ください。)【参加費】 5,000円
【お申込】 店頭、お電話、メールにて。 お名前、ご連絡先、人数をお伝えください。
    ■電話 075-241-2710 
    ■メール
【持ち物】(できれば)普段使い慣れた道具をお持ちください。
     お持ちの道具によってお伝えできるテクニックも、それぞれ違ってくるかと思います。
     こちらで用意する道具をお使いいただけますので、手ぶらでも結構です。
   ●飲み慣れた珈琲豆をお持ちくだされば、こちらで淹れてみて確かめるのも良いかと。
   ▲立っている時間が長いこと、服に珈琲のニオイがつくかと思いますので気軽な服装でお越しください。 
 
様々な教本にいろんな事が書かれていて、なにが正解かお悩みの方、
概論と実践の両方で疑問に思っていることを解決できる機会になればと思います。

珈琲教室振り返って

先週の日曜日の珈琲教室
休日の朝早い時間にもかかわらず、4名の方がご参加くださいました。
以前は営業を終えて夕方にスタートしていたのですが、休日の営業後だと
私の体力が続かないのと、夕方より朝のほうが味覚が鋭いのも好都合です。
これからもご要望いただければ、可能な限り日曜の朝から開催したいと考えております。
 
幾度かの珈琲教室を終えるたび、より分かり易い伝え方があるのにあとから気がつくもので
次回に活かそうという思いとともに、教える側にも収穫があるのでこちらとしても大変有意義に感じております。
今回も道具を揃えたばかりの方が参加されたので、レジュメを用意したのですが
詰めが甘く、すぐさま推敲して幾分使えるものになったはずです。
 
詳しいことはご参加された方だけのものとして、どんなことをやっているかと申しますと
飲み比べに多くの時間を割いており、今回を踏まえての次回以降のプログラムは
・基本のドリップと さんさかのドリップの違い
・台形と円錐フィルターの道具の違い
・蒸らし時間の違い 蒸らすことの目的と重要性
・抽出温度の違い
などで、ご要望に応じてネルとペーパーの違いや、フレンチプレスの一長一短も
興味を持ってもらえるのではと考えております。
 
自分が珈琲を淹れ始めたころの20年前
専門書や雑誌の珈琲特集の淹れかたに始まり、美味しい珈琲屋さんの見よう見真似
だったような時代とは違って、今はいつでもどこでも検索して調べることができ、さらに
は動画を見ればとりあえずのことは解決します。
いろんなことを知っている皆さんに負けないよう、そこらへんに出回っている常識をひっくり返そう
と、それなりの受講料に見合うよう有意義な内容にすべくいろいろ練っている次第です。

珈琲教室の募集締め切りました。

ご案内しておりました珈琲教室、定員となりましたので受付を終了いたしました。
ご要望があればその方に合わせた内容で不定期に行っております。
定期的には開催していませんので、ご興味のある方はご相談ください。