さんさか ネルドリップ珈琲と本と

本のこと

「コツ」のはなし

この春ようやくスマホに替えて、多くの人がそうであるように本なんて読まなくなるか、 少なからず本との距離感は遠くなるのでは心配していていたら、以前より自然と積極的に 本を読むようになった。 そもそもスマホを使いこなすような能力も興味もないのだか…

マチネの終わりに

手垢のついたような表現しかできない自分がもどかしいのだが こういうのを「美しい文章」というのだろうと感じた素晴らしい読書体験でした。 (どうでもいいのだが、なにかにつけて‘美しすぎる’みたいに、“〜すぎる”を使う奴は 大抵どアホだと思う。例えば女…

数字より名前が覚えられないことがある。

まず必要ないのに、いまだに円周率を20桁覚えていたりする。 自分と関係のない数字なのにどうしてだか記憶してしまうような数字が時々ある。 1980年12月8日のジョンレノンが射殺された日がそうだ。 ビートルが解散してからの生まれなので当然ビート…

“犠牲を払った分だけ人を満足させる事ができる” アントニオ・リヴェラーノ

定期購読で届いた月刊誌の封を開けずに5ヶ月分、観ようと思い録画した映画が観ないまま100本を越えたあたりで どうにも時間を作るのが下手だなぁと途方に暮れている。 このまま頭が空っぽの状態ではダメだという焦りと気分転換がしたくて、近頃は御所を歩い…

センスの良し悪し

ラーメンズの2人と同じ美大出身の水野学氏が彼らのコントライブのポスターなどのデザインを手がけていたのは 舞台公演を欠かさず観に行っていたのだから、もう15年も前のことか。 「くまモン」生みの親としてだけでなく、今や超売れっ子の人だ。 その水野さ…

ジャガーと発音したら怒られます。

最後の晩餐のように横一列に並んだ長い食卓で、中央に家庭教師役の主演松田優作がいて 教え子の父親役である伊丹十三は向かって左隣に座っていたと思う。 「家族ゲーム」でのたしか朝食の風景。 伊丹さんは目玉焼きのうんと半熟の黄身の中央に箸をぶっさし、…

カッコいい生き方

「近々こんな本が出るんです!」と製本前の原稿を前に、林多佳子さんご本人から伺っていたこの本。 「いっぺん行っとこか!」の思いつきで、お店に伺うというより林さんご夫妻に会うのが目的で 苦楽園の「Permanent Age」に行ったのが9月の初旬。 この9月〜1…

「村上春樹がいっぱい揃ってる」と言われるのはなんだか不本意

長らくブクログの本棚も更新せずほったらかしなのは相変わらずですが 店頭に出さないままでいた本をようやく並べている最中です。 ...などなど。 まだまだ届いたまま読んでもいない本がそこいらに転がっていたりも。 どこかの誰かが本のディレクションを…

SAPEURS

フランス語で「オシャレで優雅な紳士たち」の頭文字をとって “SAPEUR”(サプール)という。 アフリカ中部のコンゴ共和国。 平均月収2万5千円。 エレガントなスーツを着こなした男たち街角に集まり、舗装されていな道をとにかく気取って歩く。 花道を歩く歌…

守破離の「離」

「JAPANESE DANDY」という写真集。 発売前から欲しかったのだが高価なので躊躇していて、中古でも構わないから安くならないものかと Amazonのページを時折みていた。 先日お会いするたびに洋服の話で盛り上がる、ご贔屓にしていただいている方ともこの写真集…

足るを知る

「広告批評」の創刊編集長で、2013年に亡くなられた天野祐吉さんの最後のメッセージ。 計画的廃品化 1960年に登場した言葉で、20世紀のマーケティング手法のキーワード。 ポイボスカルテル 1920年代、電球の寿命は技術進歩ですでに2500時間くらいに延びてい…

colorless

今年も英ブックメーカーの前評判でトップだったそうだが、村上春樹さんがノーベル文学賞を逃したというニュースをみて、少し前にようやく「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読んだ。 昨年の4月の新刊として、前作「1Q84」同様に発売前から…

しょうがないねぇ

高田文夫 三谷幸喜 小山薫堂 爆笑問題 宮藤官九郎・・・ そして、春風亭一之輔。 → この表紙です。 共通するのは日大芸術学部出身。クドカンが脚本を務めた2005年のドラマ「タイガー&ドラゴン」 若い世代にも粋で乙な落語が注目されてからもう10年近くも経…

コレクション

脳には「テグメンタ」とよばれる部位があるそうで、たとえば美しいものを見たとき 知識欲が満たされた時などにこのテグメンタが刺激され、快感が生まれる仕組み。 マウスを使った実験では、マウスの脳のテグメンタを直接刺激するボタンを用意し 「ボタンを押…

最後は財布のこと

〜財布のこと〜「財布はいいものを持たないといけない」 いつも手入れをし、革製なら週に一度磨くこと。 財布の中身は整理整頓し、カード類は最低限にすること。 パンツの後ろポケットに入れたまま座らないこと。 お札の向きは揃え、小銭入れを別に持つこと…

靴と財布とジャケットの大事なこと

〜靴のこと〜 レインブーツ J.M.Westonのゴルフ フランクの靴 ニューバランス1300 この「日々の100」の中に、靴だけでこの4つが紹介されている。 40歳を過ぎた頃からスニーカーが似合わなくなったように感じ、履く機会が減ったという松浦さん。 We…

靴と財布とジャケットの大事なこと

〜ジャケットのこと〜 白州次郎曰く「ネクタイは忘れても、ジャケットだけは、忘れずにいつも持っていろ」と。 松浦弥太郎さんというと、ずいぶんとカジュアルな服装だなあというイメージだったけど 彼が仕事での立場も含めて年齢を重ねるにつれ、子供服と決…

おいしい日常

この装丁写真をみると必ずトーストが食べたくなる。 写真のようにガス火に網で焼くとたいそう美味しそうに見えるのだ。先日、自宅のオーブントースターを店で使っているのと同じ機種に買い換えた。 300W〜1300Wまで、上下ヒーターの切替など5段階で調整でき…

イギリスはおいしい?

「イギリスの食事は美味しくない」というのは世界の定評である。 イギリスに行ったことはないけど、どういうわけだかそのイメージしかない。 どこか外国でカメラマンをやっているはずの同級生から、イギリスに語学留学みたいなことで 滞在していた時の食事の…

百歩譲る

読まず嫌いだった松浦弥太郎さんの本を少しずつ読んでいる。 「暮らしの手帖」編集長、「COWBOOKS」代表、書籍商で文筆家。 肩書きが多いのがなんだか胡散臭くて敬遠していた。 年末に沢尻エリカとようやく離婚した高城剛さんが自分のことをうまく表現してい…

物語に拳銃が出たら発射されなければならない

中村文則 1977年生まれ この「銃」で2002年、新潮新人賞を受賞(芥川賞候補) 2005年「土の中の子供」で芥川賞、2010年大江健三郎賞など受賞歴の割には 知名度が低いような気がするが、すでに海外でも評価されているようで。 まわりとの接し方が冷ややかな男…

新人議員の方にも読んで欲しい

秋の園遊会での手紙手渡し問題。 20年前、「元気が出るテレビ」のダンス甲子園でメロリンキューを観ていた。 彼とは同世代なので、調べてみたら自分と誕生日が一日違いである偶然もあり ちょっと気になったというより、怒りながら「皇室へのソボクなギモン」…

これは読んだほういい。

お涙チョーダイのいわゆる闘病記とは違う。 難病患者なので、根本治癒ということは難しいだろうし 病態を抑えるのが精一杯なので、発病してから快復し社会復帰なんていう甘いストーリーとは全く違う。 とにかく痛み、苦痛が常に伴う中、医療や介護などいろん…

季節はずれの甲子園

プロ野球のドラフト会議の報道を見て思い出した。 阿久悠さんが新聞連載で高校野球のことを書いていたことがあった。 日本人はとにかく高校野球が好きだということ。 春夏の甲子園は全試合が生中継されるし、どういうわけだがNHKと民放の2局で放送している…

ところで最近、面白い本を読みましたか?

福原さんが考えた「書友」という言葉。 面白い本を読んだらいち早く情報交換する仲をいうそうだ。 それぞれの世界で活躍する人から、互いに面白く読んだ本をちょっと聞き出すことで 自分一人の関心の範囲を超えて、思いがけない本の世界が広がるはずだと。 …

鳥取島根問題とかいうらしい。

少し前に友人が鳥取への一人旅から戻ってきたときのお土産にいただいた本。 「孤独のグルメ」などの谷口ジローさんの出身地が鳥取で、そんな雰囲気を感じる町並みだったそうで。 鳥取は行ってみたい本屋があったり、島根も出雲大社にも行ってないし、いつか…

本屋さんの役割

大型書店に町の本屋さんや古書店、それから今ではネット販売も“本屋さん”に違いない。 古書店を営む知人などは、「一箱古本市」と言ってダンボール一箱で全国各地を飛び回り 京都でも叡山電鉄の車両での古本市イベントや、カフェなどの店内でも販売を手がけ…

本の神様からの贈り物

昨日、木曜は定休日。 今朝はしっかりと寝坊しつつ、店に着くとドアノブに何やら袋がぶら下がっているではないか。 単行本が4冊。 町田康 西村賢太 角田光代 田中美穂(倉敷 蟲文庫の店主) 袋に入っていた4冊とも読みたかった本なので、寝坊して不機嫌だ…

馬子にも衣装

“「服装なんてどうでもいい」というほうが、現代的で自由で格好よく あるいは知的でさえもあるかも知れないが、そうは思わない。 警官は警官の制服を着ているから警官に見えるのであり...” と服装術を著書にもつ方が書いている。 まさしくそう思う。 いつ…

三条富小路書店

今年ももう始まっています。 → 三条富小路書店top 三条富小路にあるギャラリーh2oが2週間限定で書店に変身します。 本のラインナップは、京都を中心に全国から参加者を募り少部数発行の個人出版物(いわゆるzine・リトルプレス)や 作家やのつくる1点モノ、…