さんさか ネルドリップ珈琲と本と

珈琲の“蒸らし”って⭕⭕みたいなもの

毎日美味しい珈琲を飲みたいと願い、
毎日美味しく淹れられるようにあれやこれやと試していても
「常に満足」とはいかないもので、やっと上手に淹れられるようになったと思ったら
また首をかしげ始めて試行錯誤の繰り返し。
今年に入ってからふとしたきっかけで、「蒸らし」を大胆に変えてみて今の珈琲がしっくりきている。
最初に珈琲の粉に湯を注ぎ待つ時間を「蒸らし」と呼ぶが、あえてしないお店もあるし
専用の蓋をして5分くらい蒸らすなんてことをしていたりもするしさまざま。
一般的な教本には20〜30秒とか書いているのだろうか。
 
滅多に行かないけど、よその店で他の人のドリップを見るのは大変興味深いものだけれども
大抵がっかりさせられる。
一様に速くて、蒸らし時間を淹れても1分〜1分半足らずで抽出が終わってしまう。
だから「あんな風に淹れるとやはりこんな珈琲にしかならないのか!」と
ポジティブに勉強できたことにでもしなきゃ仕方がない。
 
よく言われる「蒸らしで味が決まる」は正解だと断言できる。(もちろん同じ焙煎の珈琲豆という条件で)
ほんの少し蒸らす時間とか湯の量を微調整するだけで大きく変わる。
「なんで“蒸らし”をするんですか?」なんて尋ねるような上級者はなかなかいないのだけれど
試しに自分の行きつけの珈琲屋さんで聞いてみると面白いかも。
十中八九、嫌な顔されるでしょうけど、正解を知っている人のほうが少ない気がするなぁ。
肝となる大事なことだから簡単には教えるわけにはいかないので、けむに巻くようなつもりで
「ヴィンテージワインをデキャンタージュする理屈とよく似ている」と答えている。
適当なでまかせではなく合っているものの、ワインに例えるあたりが格好つけてるみたいで
われながら悪趣味に思っていて、もっとシンプルな例えはないものかと。
 
それで店の前を行きかう職人さんを見て思いついたが「ペンキ屋さん」。
職人さんに怒られるかもしれないけど、ペンキを塗ること自体は誰にだってできるでしょ。
でも趣味の日曜大工と、職人さんのプロの仕事とは訳が違う。
珈琲なんてお湯を注げばいいのがだからもっと簡単なわけで。
「蒸らし」の大切さをペンキ屋さんで言うのなら、建物の外壁を塗る際の足場を組む作業じゃないかと。
落っこちるようないい加減な足場でもだめだし、高さが足りないなんてありえないし。
ユニック車(関電のCMで佐々木蔵之介が高所作業でカゴに入って載っている作業車)だと横の動きに対応できないし。
いざ塗るのだって、刷毛なのかローラーか、スプレー式だってあるだろうし。
ほら珈琲だっていろんな抽出方法があるので似てません?
自己満足すっきりしました。