さんさか ネルドリップ珈琲と本と

“おもたせ” と “手みやげ”

平松洋子さんの本をここのところ続けて読んでいます。
美味しいものの話をする人ってちょっと偉そうというか、上から目線が気になる人が多い気がしますが、平松さんの文章は
マニアックな薀蓄はほどほどに、自分が食べて美味しいという思いが勢いよく書かれていて気に入ってます。
ところで、最近雑誌などでごく当たり前に「おもたせ」という言葉が使われています。
いつの頃からか「手みやげ=おもたせ」として使われているようですが、正しい使い方ではないようです。
(平松さんも冒頭でそのとおり書かれています。)

  お‐もたせ【御持たせ
  《「御持たせ物」の略》来客を敬って、持ってきた土産物をいう語。多く、その客へのもてなしにその品をすすめるときに使う。
   「―で失礼ですが」     by 検索辞書:大辞泉 提供:JapanKnowledge

手みやげのお菓子を、いただいた側がその場でふるまう際、「おもたせで申し訳ないけど…」という表現です。
来客に「持たせた」という意味で、いただいた側の言葉です。
手みやげというとその場で渡したら終わってしまうと意味合いからか、「おもたせ」の方が品良く聞こえるからなのでしょう..
鮨屋さんでお客が勘定のことを「おあいそして!」というのと同じような誤用ですね。
個人的には「お遣いもの」がしっくりきますがどうでしょうか。