さんさか ネルドリップ珈琲と本と

伊シチリアのワインをオーストリアのグラスで。

器の違いで味覚が違って感じられることはご存知でしょうか?
 
自宅でよくワインを飲みます。
頻繁に飲むようになってから、リーデル社のグラスを購入しました。
とは言っても、リーデルにはブドウの品種や産地によって100種類以上ものグラスが用意されているので
入門編のようなオールマイティーなグラスがあり、マシンメイドであるそのエントリーモデルを。
初めて飲んでその違いにびっくりしました。
もう味わいが全然違うんです!
これまでのグラスはペアで千円程度とはいえ、リーデルのものでも三千円弱と特別高価なわけでは
ないのですが、グラスでこうも違うかものかと。
 
当然、珈琲でも同じようなことが起こります。
全く同じように抽出した珈琲でも、器の厚み、形状、材質によって珈琲の味は違って感じられます。
器の厚みに関しては、ワイングラスがそうであるように薄ければ薄いほど繊細な味が楽しめます。
形状の違いでも、口に含むときの液体の浸入角度によって舌の奥まで届くのか、左右に広がるかで
味の感じ方は違ってきます。
これは苦さは舌の奥、甘さは舌先、酸っぱさは左右でなど、味覚要素を強く感じる部位があると言われているからです。
しかし、長らく言い伝えられてきたこの「味覚分布地図」ですが、面白いことに医学的にはほとんど根拠が無いそうです。
敏感さに程度の違いこそあるものの、一般的な味覚を持つ人の感覚には有意な差がないとのことです。
人間の感覚的なことなので、器の違いだけに限らず、いつ・どこで・誰と飲むかでも異なった印象にはなるのでしょう。
 
珈琲の飲み方を新しい展開にしようと思い描いているので、このような器の使い方は取り入れていくつもりです。