さんさか ネルドリップ珈琲と本と

新人議員の方にも読んで欲しい

皇室へのソボクなギモン
秋の園遊会での手紙手渡し問題。
20年前、「元気が出るテレビ」のダンス甲子園でメロリンキューを観ていた。
彼とは同世代なので、調べてみたら自分と誕生日が一日違いである偶然もあり
ちょっと気になったというより、怒りながら「皇室へのソボクなギモン」を読んでみた。
漫画家の辛酸なめ子さんと、明治天皇の玄孫で最近テレビに出すぎ感のある竹田恒泰さんの共著です。
 (お父上は先日の東京オリンピック招致でご尽力された、竹田恒和氏)
 
下世話な話で、皇室が金品を譲り受けることが出来る金額が年間600万円と決まっているとか
「皇族の方に携帯カメラを向けるのはいいのか?」など辛酸なめ子が質問するので面白いのだけど
それに竹田さんが本当に真面目に答えてくれている。
 
義務教育で教わるはずの「天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合象徴である」の憲法第一条。
この説明が非常に分かりやすい。
憲法で“象徴”と命じているわけではなく、天皇が日本国を象徴しているという状態を
条文に表現しただけということ。
戦前は「大元帥」や「陸海空の総覧者」など余分なものがついていただけで
明治以前もずっと遡っても、もともとは象徴だっとということ。
 
昭和62年、昭和天皇が被災地を訪れた際のできごと。
昭和も終わりのころなので、陛下も大変おやつれで、ヘリコプターのタラップから降りるのに
足どりもたどたどしくされていた様子なのに、誰も手を差し伸べることが出来ない。
天皇のお体は玉体だから触れることが出来ず、ただ見守るしかできなかったそうです。
 
この話を聞くと、山本太郎議員の件は本当にどうよ!と思ってしまう。
ローマ法王ダライラマに、書簡を手渡しするようなこととは次元が違うのが分かる。
法王やダライラマは選ばれて即位する人だけど、天皇陛下のそれとは全く違う気がする。
二千年間ずっと国民ひとりひとりの幸せを祈り続けてきた、その一族の長が天皇陛下だということ。
 
皇室のことを知る機会などなかったから、言葉は悪いけれど、こんなサブカルの本で
勉強させられるとは思ってもみなかった。
後半の昭和天皇雅子様のお話は、ちょっと目頭を熱くせずには読めなかった。