さんさか ネルドリップ珈琲と本と

最後は財布のこと

〜財布のこと〜

「財布はいいものを持たないといけない」
  いつも手入れをし、革製なら週に一度磨くこと。
  財布の中身は整理整頓し、カード類は最低限にすること。
  パンツの後ろポケットに入れたまま座らないこと。
  お札の向きは揃え、小銭入れを別に持つこと。
  ひとつの財布を2年以上使わないこと。
松浦弥太郎さんが若い頃に年上の方々から教わった財布のあれこれ。
大切なお金との付き合い方として、「お金が喜んでくれる使い方」をしないといけないとも。
家に帰っても財布を雑に扱わず、低いところではなく大切なものを飾るような場所に置くといいそうです。
 
「財布はお金の住むところ、家みたいなものだから良いモノを使わないと」
私がお客様から教わったことです。
恥ずかしながら財布に関してはまったくデタラメなモノを使っていました。
何が良くないって、店を始めるくらいまでろくに財布を持たずに、マネークリップとコインケースで十年くらい過ごしておりました。
英国の革製品なので品物自体は良いモノなんですが、ただただ格好つけたくて
お札をむき出しで持ち歩いくというのは、大事なお金にとって快適なはずもありません。
 
店を始める頃にはさすがに財布は持っていましたが、まだ見せかけだけのモノで
リザード(蛇革)でお札が数枚とカードが1枚はいるだけの極薄い札入れです。
本来の使い方は、結婚式なんかのスーツ姿でバッグを持たない時に、スーツのシルエットに影響しない為の薄い財布です。
なんというか、メインで使うのにはお粗末な財布だったわけです。
これではいかんと思い、2年前から使っているのがエッティンガーの札入れとコインケース。
英国王室御用達の証「ロイヤルワラント」を授かるブランド。
馬具にも使われるブライドルレザーというのは、本来は厚くて堅いとにかく丈夫な素材なんですが
ここのは極力削いで薄く仕上げているので、初めからしなやかで使いやすい。
代名詞でもある、蜜蝋仕上げの白い粉が吹いていなければブライドルレザーとは思わないくらい上質です。
使い初めて丸2年がたつのですが、こまめに手入れをしているのでピカピカの状態を保っています。
これだけ手をかけてきれいに使っている財布を、2年で買い替えては牛に怒られます。