さんさか ネルドリップ珈琲と本と

とりあえず。

旨いとか使い勝手がいいだけじゃなく、相性の良い蕎麦屋に偶然巡り会えた。
先輩にお供して男二人で自分たちが入り、ほどなく一人の常連さんが入ってきた。
白いくらいの金髪にギャルソンをまとい、視界の最果てでもその人と認識できるような出で立ち。
たまたま先輩のお客さんだったので少し驚いたが、ほぼ同時に自分にもその偶然が訪れることに。
十年ほど前の一年間、髪を切ってくれていたその人で、今は独立されて自分のお店はもちろん、多方面でご活躍。
初めて伺ったお店でも、その方のおかげで居心地が良かった。
酒の肴がどれもじつに旨く、日本酒と蕎麦がある。
「もうこの店だけでエエわ。」とオッサン二人でご機嫌さん。
 
日本酒を美味しく飲める体質で良かったなぁと思うのだけど
自宅ではほとんどビールかワイン。
日本酒は年に2・3度、4合半のボトルを買ってきては空になったらまたしばらく途切れる。
でもこの半年ほどずっと欠かさず日本酒が続いている。
「お米からできた水みたいなもん」と言い訳しながら一献やっている。
間違いなく太るパターンだ。
 
それでも外でも家でも最初の一杯はビールが飲みたいもの。
日本酒離れと言われて久しいけれど、今の若い人たちはそれどころか、ビール離れ否、お酒をあまり飲まないのだろうな。
若い頃は美味いとか不味いとか、酒に強いとか弱いとか関係なく
みんなとりあえず「下町のナポレオン いいちこ」をロックで飲んでたんだけどなぁ。
 
農学博士で「食」に関する著作も多い小泉武夫先生の面白いエピソードがある。食の堕落と日本人 新版 (プレミア健康選書)
日本酒業界活性化がお題目の集まりで、講演を頼まれた時のこと。
依頼主は造り酒屋の組合である、○○市酒造組合で、講演を終えパーティーへと流れる。
「日本酒のますます発展のために乾杯!」の音頭で、手にするグラスには日本酒ならぬ、ここでもビールで乾杯。
「実にばかばかしい、救いようのない堕落」と小泉先生。
 
まあ、飲みに出かけたら「とりあえずビール」、「とりあえず生中」なわけです。
茶店なら「ホット」とか「ブレンド」となるのでしょう。
 
 〜 お知らせ 〜
4種類の珈琲メニューのうち、唯一ブレンドだったコロンビア(中深)をやめて
グアテマラ(中深)のシングルを定番に替えました。
店を始めた当初はブレンドを2種類用意していて、深煎りブレンドブレンド1番、
中深煎りのコロンビアブレンドブレンドの2番としてお出ししていました。
今のようなネルドリップにしたあと、メインの珈琲が深煎りのブレンドからタンザニアに替わっても、コロンビアは定番として残していました。
開店当初から通ってくださるお客様には「ブレンドの2番」と呼んでご注文いただいていましたが、このたび変更することにいたしました。
めったに「ブレンド」と注文する方はいらっしゃらないのですが、メニュー変更のお知らせでした。

 さんさか店主